世界で水道水が飲める国は僅か12カ国?治安と水質基準の落とし穴
水道 水 飲める 国を調査してみると、海外へ一歩足を踏み入れた途端、私たちが日常的に享受している「蛇口をひねれば無菌の清涼水が出る」という環境がいかに奇跡的であるかに気づかされる。世界約190カ国あまりの中で、水道水をそのまま飲用しても健康上の問題が生じないと公認されている地域は、世界的なデータを見渡してもごく僅かだ。
渡航先の大手高級ホテルや整った観光地であっても、配管の老朽化や病原菌のリスクにより直接飲むことが推奨されない地域は少なくない。水道 水 飲める 国の正しいリストや現地の水衛生水準を事前に把握しておくことは、安全な滞在を実現するうえで不可欠なプロセスといえる。
世界で水道水が直接飲める国はわずか約12カ国?渡航前に知るべき最新安全事情

国連や関係諸機関の統計データを総合すると、国土の大部分で水道水が直接飲める国は世界で約12カ国程度に過ぎない。アジアでは日本やシンガポール、中東ではアラブ首長国連邦(UAE)の一部、オセアニアではニュージーランド、そして欧州のいくつかの先進国がその代表格だ。世界の多くの地域では、水道水は洗浄や洗濯などの生活雑用水として提供されており、そのまま口に含めば下痢や感染症を引き起こす危険が付きまとう。
「先進国だから安心」という先入観も禁物だ。例えば欧州の大都市であっても、建物自体の配管が100年以上前に敷設された鉛管であったり、貯水タンクの管理が行き届いていなかったりするケースが珍しくない。安全な水源から処理された水が送り出されていても、蛇口に届く段階で汚染されるリスクがあるのだ。海外渡航前の情報収集においては、国単位の評価だけでなく、滞在地域のインフラ現状まで視野に入れる必要がある。
北欧・中欧の水資源国:アイスランド、フィンランド、スイスが誇る圧倒的クオリティ

水道水の質において世界最高峰と称えられるのが、アイスランド、フィンランド、そしてスイスである。アイスランドでは、何世紀もかけて火山岩層で自然ろ過された純水がそのまま市街地に供給されており、ボトルの水よりも水道水のほうが美味しいと評されるほどだ。塩素消毒すらほとんど必要としない自然の恵みがそのまま市民の口に届く。
フィンランドもまた、広大な森林と豊かな湖沼群、清廉な地下水資源を有し、国を挙げた高度な浄水処理システムを整備している。スイスに至っては、アルプスの雪解け水を厳重に管理し、街中の公共噴水から出る水ですらそのまま美味しく飲める。これらの国々に共通するのは、恵まれた地理的環境だけでなく、持続可能な資源保護と先進的なインフラ投資を絶やさない社会体制だ。
日本の「水道法」と厚生労働省が課す51項目に及ぶ水質基準の真価

日本が世界に誇る水道システムの根幹には、昭和時代に制定され時代に合わせて改正が重ねられてきた「水道法」が存在する。厚生労働省が定める水質基準は、病原微生物の有無から重金属、化学物質、臭気、味に至るまで、実に51項目に及ぶ厳密な審査項目を設定している。この基準値は世界的に見ても極めて厳格であり、どの家庭の蛇口から出る水も消毒済みであることが法律で義務付けられている。
しかし、近年の日本においても課題が皆無というわけではない。少子高齢化に伴う自治体の水道事業の経営不振や、高度経済成長期に整備された水道管の耐用年数超過が社会問題化している。将来にわたってこの世界トップクラスの安全性を維持するためには、施設の改修費用調達や広域連携など、水道事業の持続可能性を巡る構造改革が急務となっている。
近現代公衆衛生の父ジョン・スノウの教訓と世界保健機関(WHO)の基準
安全な水道水という概念が定着するまでには、苛烈な感染症との戦いの歴史があった。19世紀半ばのロンドンで流行したコレラに対し、医師ジョン・スノウは汚染された井戸水が病原の源泉であることを突き止め、ポンプのハンドルを取り外すことで感染拡大を阻止した。この事件は現代疫学の第一歩となり、水質管理が人々の生命に直結するという教訓を世界に刻み込んだ。
現在、世界保健機関(WHO)は「飲料水水質ガイドライン」を制定し、途上国から先進国に至るまで安全な水へのアクセス確保を人権の重要課題として掲げている。だが現実には、気候変動による干ばつやインフラの途絶により、世界人口の相当数が安全に管理された水を利用できていない。WHOが示す国際基準と各国の現場インフラとの間には、依然として大きなギャップが横たわっている。
硬水・軟水の違いに注意!海外旅行先でのミネラルウォーター選びと腹痛対策
たとえ衛生的に安全だと評価されている国であっても、日本人が海外旅行へ出かけた際に体調を崩すケースは後を絶たない。その主因の一つが、水に含まれるカルシウムやマグネシウムの含有量を示す「硬水・軟水」の違いだ。日本の水道水はほとんどが癖のない軟水だが、ヨーロッパ大陸の大部分や北米の一部ではマグネシウム分を多く含む硬水が主流となる。
普段軟水に慣れ親しんだ日本人が急に硬水を大量に摂取すると、胃腸が刺激されて下痢を引き起こすリスクが高まる。現地でミネラルウォーターを購入する際は、ラベルに記載された表記だけでなく、成分表の硬度をチェックすることが防衛策となる。沸騰させてもミネラル分は変化しないため、お茶やコーヒーを入れる場合も現地の水質特性に応じた配慮が求められる。
ホテルの星数に騙されるな?治安問題やインフラ劣化に潜む水質の落とし穴
渡航者が陥りがちな盲点が、「高級ホテルに泊まっているから水も安全だ」という思い込みだ。ホテル館内の浄水ろ過装置が作動していても、周辺の水道事業全体の水圧が低ければ、配管の亀裂から地下水や汚水が逆流して侵入するおそれがある。また、治安が不安定な地域や激しいインフラ更新の遅れが目立つエリアでは、水処理用薬品の供給が滞ったり、検査体制自体が形骸化していたりすることもある。
さらに、現地の飲食店で出される氷にも警戒が必要だ。氷の原料となる水が水道水そのものであったり、製氷機のメンテナンスが行き届いていなかったりすれば、せっかくミネラルウォーターを頼んでも意味をなさない。海外滞在時のセーフティプロトコルとして、「生水は飲まない、氷は断る、歯磨きもボトル水を使う」という徹底した意識が、旅先でのトラブルを防ぐ最強の防壁となる。 (出典: 水道 水 飲める 国(Yahoo!ニュース))